高松塚古墳の四神
東面:青龍
手前から男子群像、四神のうちの青龍とその上の日(太陽)、女子群像
尾の部分は浸透した水分によって汚れて見えない
龍は南を向いて、足を踏ん張り
赤く長い舌を張り出して、大きな口を開けて威嚇する
頭部には2本の角が生えている
体は緑青に群青を刷いたもので
頸部や胸前、背に赤の鰭(ひれ)があり
また頭頂部や足の付け根には長毛を淡墨線で描く
頸部には特徴的な濃赤色の斜格子の画文帯がある
【百橋明徳 古代壁画の世界 (吉川弘文館 2010)より】
高松塚古墳 東壁面(全景) 長さが約265cm、高さが約113cm 3つの切り石の継ぎ目が見える
【文化庁 国宝 高松塚古墳(中央公論美術出版 2004)】
高松塚古墳 青龍
【笹間良彦 図説・龍の歴史大事典(遊子館 2006)】
高松塚古墳 青龍 頭部と前足 3本の爪が見える
【文化庁 国宝 高松塚古墳(中央公論美術出版 2004)】
西面:白虎
手前から男子群像、四神のうちの白虎とその上の月、女子群像
白虎は頭を南に向け、ほぼ青龍の図像を反転したものと考えられる
大部分が白であり、漆喰の色と見分けがつかない
現在は淡墨線の輪郭線のみ見えるが、濃墨線の描起線があったとされる
淡墨線をたどると全体の輪郭がよく見える
特徴的なのは尾を後足に絡めて、その末端を跳ね上げる点である
青龍も同じ
高松塚古墳 西壁面(全景) 長さが約265cm、 高さが約113cm
【文化庁 国宝 高松塚古墳(中央公論美術出版 2004)】
白虎の頭部
【文化庁 国宝 高松塚古墳(中央公論美術出版 2004)】
北面:玄武
四神のうちの玄武のみが描かれている
亀と蛇が絡んだ不思議な図
盗掘者が玄武の図像を破損したため、中心部がよく分からない
亀は左を向き、蛇は亀の体の下を通り、後ろ脚から抜けて亀の上部で円を描いて絡む
後に発見されたキトラ古墳壁画の玄武とほぼ同様な図像であったと確認できる
【百橋明徳 古代壁画の世界 (吉川弘文館 2010)より】
高松塚古墳 北壁面(全景) 幅が約103cm、高さが約113cm
【文化庁 国宝 高松塚古墳(中央公論美術出版 2004)】
玄武
【文化庁 国宝 高松塚古墳(中央公論美術出版 2004)】