※ 三 峰 講
埼玉県秩父の三峰神社を中心とするオオカミ信仰は、江戸時代中頃から秩父地域だけでなく、
遠く離れた地域社会にも広がりました。そこで登場するのが、講という同じ神仏を祀り、
または、参詣する同行者の組織です。三峰神社の大口之真神のお札は生きた神犬一匹と同等
なものとされ、50戸の家を守護する力があるといわれています。オオカミ信仰が「三峰講」
として展開されたのにはこの「50戸」という数が、講を組織するのにちょうどいい手頃な
数だったということが考えられます。
秩父より遠く離れた地域では、講のうち、代表者が三峰神社に参詣し、お札を受け取って
きました。これを『代参講』といいます。
【オオカミ信仰とは】
※ 旧山田村の三峰講代参 (現:上田市山田)
毎年2月〜4月に代参人4名をたて、三峰神社に参詣し講加入戸数分のお札を授かり、帰村
時、前年代参人(世話人)のお迎えを受け、一旦、村の三峰様と呼んでいる山の上にある
祠にお札収め拝礼し、講に加入している家に三枚のお札を配ります。
平成11年(1999年)には50戸加入していました。当時は50戸が上限だったため加入希望者
があっても、空きが生じないと加入できませんでした。しかし、今年の講加入家は28戸に
なってしまいました。高齢化と過疎が原因なのでしょうか。
旧山田村の代参講は、嘉永2年巳酉(1,849年)に始まり、今日まで167年間毎年行われて
来ました。村の人たちの絆を深めるためにも、末永く継続してもらいたいと願っています。
今年、代参に選ばれて三峰神社に行ってきました。(征夫 記)